ブラッディ・ロマンス。【短編】
神藤くんが受け入れる女の子は当然、彼が吸血鬼だということを受け入れなきゃいけない。
それができるのは、あたし。
そう思うと、あたしは神藤くんの『君』に近いところにいる気がする。
あたしはそこまで考えて、ハッとした。
何を考えてるの。
あたしは神藤くんの彼女でなければ、
彼のことを好きなわけでもないはず。
そりゃあ、あれだけカッコいいんだもん。
会っていればときめくこともある。
でも、それはあくまで、『彼の顔に』だ。
あたしと神藤くんはただ血を分けあうだけの関係。