ブラッディ・ロマンス。【短編】
どうしたらいいかわからない不安じゃなくて…。
何か、別の。
そう、彼が何してるかわからない不安がこみ上げる。
もう待ってられない…!!
そうして、あたしはガタンッと椅子を鳴らして立ち上がると、教室を飛び出したんだ。
小走りで辺りを見ながら、廊下を進む。
人を見かける度、目をこらす。
でも、どの人も神藤くんではなかった。
学ランになじむ真っ黒な髪。
神藤くんに比べると淡泊な顔立ち。
そんな姿を見るたび、肩を落とした。
神藤くんはどこにいるんだろう。
足は屋上へと向いていた。