ブラッディ・ロマンス。【短編】
でも、どうしたらいいの?
わからない。
震える左手で神藤くんの肩をもったまま、
ただ唇を押しつけていた。
あたし、いけないことをしてる。
それはわかってた。
だから、「……ん」と低い声が漏れ聞こえたとき、驚きでビクッと体が震えた。
彼が完全に目を覚ます前に離れようと、体を起こそうとする。
それなのに、動けない。
な、何!?
神藤くんの顔が近い。
近すぎてぼやけた視界が混乱をあおる。
な、なんで、神藤くんの顔が目の前に!?