ブラッディ・ロマンス。【短編】
薄茶色の髪の毛が彼女の首筋に埋まってる。
染髪は禁止のこの学校で茶色の髪は少ない。
特に、彼のように明るい茶色は。
だから、わかってしまう。
あの男は…
神藤くんだ…。
神藤くんはあたしに背を向けているから、顔が見えるわけじゃないけど、
きっと、こっちも間違いない。
膝を曲げて柏木さんの首筋にキスしているかのようなその体勢を見て、
あたしは彼が何をしてるのか、理解した。
神藤くんは、
柏木さんの血を
飲んでいるんだ。