ブラッディ・ロマンス。【短編】
「昨日、なんで先に帰ったんだ?」
翌朝、重い足取りで教室に入るなり、
神藤くんに腕を掴まれて、問いただされた。
「…神藤くん」
学ランの前を開け、ズボンを腰にずらして、制服を着崩した神藤くん。
まっすぐな眉はいつも以上にあがっていて、
全身から怒りのオーラを感じた。
感じるのはそれだけではない。
今まで、あたしと神藤くんの関係がばれないように、教室では距離をとってきた。
それなのに、いきなり彼があたしに話しかけて。
しかも、その内容じゃ一緒に帰る約束か何かをしているようで。
当然、クラスメートがびっくりして、あたしたちに注目している。