ブラッディ・ロマンス。【短編】

あたしは上の空で返事をする。


里枝には「あんたまで!」って怒られそうだけど、

あたしは神藤くんの姿に釘付けになっていた。



ただし、その理由は他の女子と違う。



彼は吸血鬼なんだから、ドラキュアの衣装が似合って当たり前だ。


神藤くんにとっては仮装じゃないんだから。



それよりも、気になっているのは…。




すると、あたしの視線に気づいたのか、神藤くんがこっちを見た。


目が合い、ドキリと心臓がはねる。



すぐに視線をそらしたとき、里枝が立ちあがった。


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