ブラッディ・ロマンス。【短編】
「さてと、もうパーティーの時間だから、体育館に行こうか」
「あ、うん」
里枝に続いて立ち上がり、あたしは魔女の黒いスカートをひるがえした。
10月31日、ハロウィンの今日。
うちの学校では午後から体育館でハロウィンパーティーを開く。
各自で作った仮装用の衣装を着て、
みんなで出し合ったお金で用意された軽食やお菓子をつつく。
クラスも学年も関係なく、全校生徒の親睦のための催しだ。
あたしも時間をかけて黒のワンピースを作ったんだ。
このハロウィンパーティーを楽しみにしてきた。
だから、胸のモヤモヤを打ち消すためにも、パーティーを楽しもうと思った。