ブラッディ・ロマンス。【短編】
「響くん、どこ行ったのー!?」
そんな声が聞こえたきたのは、パーティーが始まって20分ほど経った頃だ。
声のしたほうを見ると、
黒のミニスカワンピースを着て、黒いネコ耳としっぽをつけた柏木さんがキョロキョロとあたりを見回していた。
あたしはドキッとした。
あの日の光景を思い出してしまったんだ。
あの、柏木さんと神藤くんが抱き合う姿。
神藤くんの薄茶色の髪がやけに印象強く残ってる。
それを振り払って、あたしも会場を見回した。
だけど、神藤くんは見つけられなかった。