ブラッディ・ロマンス。【短編】
あたしは『やっぱり』という言葉の意味がわからなくて、眉を寄せた。
神藤くんもあたしに見つかるような気がしていたってこと?
でも、どうして?
「他の吸血鬼に狙われないよう、オレのものって印のマーキングをヒナにしてるんだ」
「マー…キング?」
予想外なことを言われて、唖然とした。
マーキングって、動物がおしっこをかけて、
自分の縄張りだって他の動物に知らせたりするヤツだよね?
おしっこではないだろうけど、
あたしにも神藤くんのものって印がついてるの?
「そのマーキングがヒナとオレを繋ぐから、ヒナにもオレの居場所が感じられるんだ」