ブラッディ・ロマンス。【短編】
「居場所を…感じる?」
「そう」
あたしは、そのことが理解しきれないけども、必死に考えた。
「…つまり、あたしが変な胸騒ぎを感じて神藤くんをさがしたのは、偶然じゃないってこと?」
「まぁ、そういうこと」
何が、どうしてなんてわからないけど、
あたしが教室にまっすぐ向かったのも偶然ではなく、
本能か何かでわかったってことだ。
そのことに、自分の感情を否定されたように感じた。
彼がどこにいるか。
それがわかるほど親しかったからではなく、神藤くんの不思議な力のせい。
それは、つまり…。