ブラッディ・ロマンス。【短編】
喉がカラカラに乾き、
言葉が上手く出てこない。
あたしは彼にとって、いらないの?
あたしがはじめに拒否したから?
神藤くんには、もう柏木さんがいるから…?
胸がつまり、唇からは嗚咽が漏れる。
瞳からは止め方を忘れたかのように、涙が次々と溢れていた。
自業自得。
そんなことはわかってるけど、悲しくて仕方なかった。
彼の拒絶を受け入れるなんて…
できなかった。
あたしは唇をかみしめ、全身に力をこめた。
再び距離をつめると、
彼が慌てて離れようとするよりも早く、その背中を支えた。
「あたし、嫌だから」