ブラッディ・ロマンス。【短編】
吸血のように、生きるためには仕方ないからと割り切ることもできない。
彼が柏木さんを抱きたいって思わなかったことが、あたしはうれしいんだ…。
神藤くんは、話を続けた。
「その気になったふりでもして、血をいただいちまおうかとは思った。
…だけど、できなかった」
苦しそうにしながらも、神藤くんはあたしを見た。
あたしの瞳を射ぬく。
「オレはおまえ以外、いらない」
熱い瞳、言葉。
その思いがあたしの心を覆う。
あたしの心も体も熱くなる。
その気持ちに、
応えたい。