ブラッディ・ロマンス。【短編】
あたしは震える手で、首筋に垂れる髪の毛を後ろにやって、
首筋から鎖骨にかけて、あらわにした。
それを見て、神藤くんはまた、首を横に振った。
「今はやめるんだ…!
ハロウィンが終われば、オレも少しは楽になって、吸血衝動を理性でおさえることができるようになる」
やっぱり、ハロウィンも影響してるんだ…。
彼の言葉が終わる前に、
あたしはその距離を縮めて、神藤くんの頬を両手で包んだ。
「…いいよ」
背のびをして、
彼の唇に自分の唇を合わす。
すぐに唇を離し、少しでも動けば再び合わさりそうな距離で、
困惑の色を浮かべた瞳をじっと見る。
「欲しいなら、全部あげる」