ブラッディ・ロマンス。【短編】

自分で自分の行動が信じられなかった。


どうしてか、彼に触れたくて。


まるで引力のように、離れることができなくて。



…キス、しちゃった。



全てを理解したあたしは、彼の胸に手を突っ張って、慌てて離れようとした。


「ご、ごめん!」


「いや…オレはいいけどね」


でも、頭の後ろの手はそのままで、少しから離れられない。



その時、神藤くんがニヤリと口の端を上げた。


…なんだろう。


その表情に、嫌な予感を覚える。



「でも、こんなこと皆に言われたくないでしょ? オレのお願い、聞いてくれる?」

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