ブラッディ・ロマンス。【短編】

マーキングのせいなんかじゃない。


あたしは神藤くんのことが好きだから、

彼のことを見て、その異変に気づいたんだ。



あたしは、そう信じる。



あの最初のキス。

彼を見た瞬間に触れたくなって、してしまった全ての始まりのキス。


あれだって、もしかしたら彼のことを好きになっていたからしたのかもしれない。


あたしが自分の気持ちに気づいてなかっただけで。



だって、ファーストキスだよ?


なんとも思ってない人にキスしたいって思ったりしない。



いつの間にか、彼に心をとらわれていたんだ。



決して、作られた気持ちなんかじゃない。




あたしは笑って、ささやいた。


「Trick or Treat」


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