ブラッディ・ロマンス。【短編】
オレは何度も何度もキスをした。
やがて、キス以外の魅惑に気づく。
雛野の体から匂い立つ甘い血の香り。
それが、オレの鼻をくすぐる。
ああ、ヤバい。
その首筋に牙を立てたい。
こんなふうに女の子に触れたのは初めてで、理性が崩れかけていた。
…ダメだ。
血を吸うわけにはいかない。
バレるわけにはいかない。
オレは理性と戦うと、唇を離して、彼女の顔を見た。
色っぽい顔だ。
その顔にドキッとする。