ブラッディ・ロマンス。【短編】
キスに酔ったのか、
赤くなった頬にとろんとした瞳。
髪の毛は後ろに流れ、
あらわになった首筋も少し赤くなっている。
オレはゴクリと唾を飲み込んだ。
誰にも見せたくない。
オレだけのものにしたい。
そう思ったら、オレはこんなことを口走っていた。
「キスしてくるなんて、雛野って意外と大胆?」
「へ?」
彼女は青い顔をして、慌てて謝った。
冷静になってようやく、自分のしたことに気付いたって顔。
「いや、オレはいいけどね」
オレはそう言って、ニヤリと意地悪な笑顔を浮かべた。
…理性なんて、くそくらえだ。