ブラッディ・ロマンス。【短編】
オレは吸血鬼。
血で喉を潤す。
彼女に触れた体から、緊張が伝わってくる。
痛いと漏れ聞こえる声。
オレの髪の毛を掴んで、抵抗をする。
それでも、すぐに離さない。
彼女の甘く、香り高い血の味をじっくりと味わった。
「…神藤くん?」
雛野の呼びかけを無視して、 ゴクリ、ゴクリと何回か飲んだ。
そして、ようやく彼女を離した。
彼女の白い首筋には、オレのつけた牙の痕が赤く残ってる。