ブラッディ・ロマンス。【短編】
お願い?
甘い声なのに、どこか恐ろしくて、あたしは首を横に振った。
逃げたい。
だけど、彼にとらえられたまま、動くことができない。
「嫌じゃないだろ」
神藤くんが腰をあげた。
今度は彼があたしを見下ろす。
一気に立場が逆転となって、足がガクガクした。
そんなあたしの腰に彼の手が回せれた。
「ひゃっ」
神藤くんの髪の毛があたしの頬をくすぐる。
首筋に息がかかる。
あたし、何をされてるの?
そう思った直後、首筋に痛みが走った。