ブラッディ・ロマンス。【短編】
だって、それは人の命にかかわる行為だから。
「は、初めて?」
「見境なく吸ったら、人を殺しちゃうからね」
言った瞬間、雛野の顔から色が消えた。
そうだよな、怖いよな。
…こんな化け物。
オレは自嘲するように笑いながら、「大丈夫だよ」と言った。
「吸血は理性をコントロールできるようになってからなんだ。
それまでは、親の調達してきた輸血用の血を飲んでる」
そう。
オレにとって、何もかも初めてだった。
血を吸うことも、キスも。