ブラッディ・ロマンス。【短編】
告白してくれる女の子はいるけど、不用意に近づいたら、血が欲しくなる。
でも、だれ彼構わず吸うわけにはいかない。
吸血鬼だってばれたら、一大事だ。
それなのに、雛野はオレに近づいてきた。
オレも我慢できなくなってしまった。
彼女は顔を引きつらせながら、「ちょ、調達……」とつぶやいた。
痛々しい姿に申し訳なくなる。
彼女を見ていると、突然、その体がグラッと揺れた。
「危ない…!!」
オレは叫びながら、手を伸ばす。
彼女の右腕を掴んで、引きよせながら、左手を頭の後ろに添えなおした。