ブラッディ・ロマンス。【短編】
ゴクンと雛野の喉が動き、オレは安心して、唇を離した。
「大丈夫だ」
彼女を安心させるように言う。
雛野の唇の端からこぼれる水を指でぬぐった。
「これは特別な錠剤だ。
オレらが血を吸いすぎた時に使うもので、一晩もすれば元気になるはずだ」
「そう…よかった…」
そこでようやく、弱々しくではあるけど、雛野の笑顔が見れた。
その顔に、胸がドキンとする。
脈打ちだす心臓。
…なんだ、コレ?
自分の反応が自分でもわからない。