ブラッディ・ロマンス。【短編】

† 狂おしい思い †


公園の片隅で、オレは彼女の首筋をむさぼる。



「…ん」


ヒナがもらす声。


それは聞きなれたはずなのに、オレの体はやっぱり熱くなった。



貪欲に、ほしい。


彼女の血が。


彼女の血だけが。



彼女の首筋から唇を離すと、今度は彼女の唇にキスをした。


吸血が始まってからの、いつもの日課。


オレにとっては大事な行為だった。



実はこれ、オレの匂いを付けてる。


マーキングってヤツだ。

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