ブラッディ・ロマンス。【短編】
「痛っ、なに!?」
何がなんだかわからないまま、
神藤くんの髪の毛を掴んで、離そうとする。
でも、離れない。
「…神藤…くん?」
ゴクリと小さな音が耳に届く。
なんの音?
神藤くんが何かを飲んでる?
…何を?
あたしの首筋に唇を寄せて、
何が飲めるの?
混乱した頭で考えるけど、答えは見つからない。
訳がわからないまま、どうしてか、手の力が抜けた。
やがて、彼は離れた。
その唇は赤く濡れている。