ブラッディ・ロマンス。【短編】

「痛っ、なに!?」


何がなんだかわからないまま、

神藤くんの髪の毛を掴んで、離そうとする。


でも、離れない。



「…神藤…くん?」



ゴクリと小さな音が耳に届く。



なんの音?


神藤くんが何かを飲んでる?



…何を?


あたしの首筋に唇を寄せて、

何が飲めるの?



混乱した頭で考えるけど、答えは見つからない。


訳がわからないまま、どうしてか、手の力が抜けた。




やがて、彼は離れた。


その唇は赤く濡れている。


< 8 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop