ブラッディ・ロマンス。【短編】
オレは自分の匂いがヒナに移ったことを確認して、唇を離した。
ヒナの体の力が抜ける。
「…ヒナ、大丈夫か?」
オレが尋ねると、彼女は体をオレに預けてきた。
それをうれしく思ってしまう。
オレが血を吸ったから、体の力が抜けてるんだと、わかってはいるけど、
オレを頼りにしてくれてるように感じてしまうんだ。
初めてヒナの血を吸った日からは三カ月。
本格的に血を吸いだしてからは、二か月が経ち、3日に一度のペースで血を吸っている。
今では雛野のことをヒナと愛称で呼ぶようになった。
オレたちの間には、切っても切れない絆が芽生えていると思う。