ブラッディ・ロマンス。【短編】
オレはヒナの少し乱れた服装を元に戻すと、彼女を立たせた。
「次は始業式だな。また、放課後の教室で」
そう言えば、途端にヒナの顔が赤くなる。
何を考えているのやら。
「…うん」
ヒナは小さな声でうなずいた。
長かった夏休みはもうすぐ明ける。
ここのような、今は人気のない公園で行っている吸血だが、
夏休み前までは放課後の教室だった。
皆でバカやって笑いあう教室での、オレとヒナだけの秘密の行為。
…もしかしたら、ヒナも背徳を感じてるのかもしれない。