ブラッディ・ロマンス。【短編】
白くてシミひとつない肌。
その下にながれる赤い血…。
オレはゴクリと唾を飲んだ。
血だけなら…。
そんな考えが頭をよぎる。
オレは、顔を柏木の首筋に近づけた。
そこに牙が触れる寸前、すぐそばから足音が響いた。
その音はだんだんと小さくなり、
誰かが遠ざかっていったとわかる。
その瞬間、柏木の肩を押して、彼女から離れた。
ドキドキと脈打つ心臓。
今、
何をしかけた?
メニュー