だいすき
加奈子はまだ把握出来ていないようか、きょとんとしている。
『今日楽しんでね』
『あぁ、その話。うん、楽しむ楽しむ』
萌香も朝子も彼氏がいない。
だから加奈子が羨ましくてプチ合コンを開く毎日…。
「よっし!そんじゃ行くか」
あたしが話を切り出すと、萌香のマスカラを塗る手が早くなった。
『ちょ、待って〜。あたしまだアイラインもそこそこ塗れてないしぃ!』
焦る萌香は化粧ポーチをがさごそと探り、奥からアイライナーを引っ張り出した。
「じゃあたし、トイレ行っとくね」
『はいはぁーい。あ、ついでにさ朝子も呼んで来てね』