狼王子に監禁されて




「ありがとね♪
じゃあ出てって」




夜って呼ばれた男の子が日斗出さんにそう言いながら、ひらひらと手を振ってさっさと出てけっと言ってるみたいだ。




「はいはい…」





そう言って
部屋を出ていく日斗出さんをあたしは、ボーッとしながら見ていると
あたしの肩をポンポンッと夜って男の子に叩かれて
ハッとする。





「こんにちは、亜美ちゃん」


そう言って床に座っているあたしの目線に自分の目線を合わせてくる夜くん。




二回目じゃん
『こんにちは』って
言うの…



まぁ、そんなことは思ってるだけで言わないけどさ。




「こんにちは…。えっと……あなたは誰?」





あたしは
夜くんから少しだけ離れる。








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