狼王子に監禁されて
「やっぱり君は
気付いてなかったんだね」
そう言った十夜くんの顔はとても悲しそうに見えた。
えええ、えっとぉ
なんのこと?
十夜くんは
あたしの肩をものすごい力で掴んできた。
「いた…」
呟くようにそう言ったあたし。
「亜美…
俺はずっと亜美を見てたんだよ」
あたしをグッと
自分の方に引き寄せて苦しいぐらいに強い力で抱き締める。
苦しい…。
「亜美をここに連れてくるのは苦労したよ。
もう離したくない…」