狼王子に監禁されて




「やっぱり君は
気付いてなかったんだね」


そう言った十夜くんの顔はとても悲しそうに見えた。



えええ、えっとぉ
なんのこと?





十夜くんは
あたしの肩をものすごい力で掴んできた。





「いた…」



呟くようにそう言ったあたし。



「亜美…
俺はずっと亜美を見てたんだよ」





あたしをグッと
自分の方に引き寄せて苦しいぐらいに強い力で抱き締める。





苦しい…。





「亜美をここに連れてくるのは苦労したよ。
もう離したくない…」








< 21 / 379 >

この作品をシェア

pagetop