狼王子に監禁されて
「冗談じゃない!!!!
あんたなんかを好きになるはずないだろっ」
あたしの声が廊下中に広がる。
コダマしてるみたいに響いてる。
何言ってるの…あたし…。
嬉しいって思ってるのに…なんでこんなこと言っちゃったの?
十夜くんは眉間にシワを寄せてあたしを見ていた。
柘気とハガネくんはどうしたらいいのかオロオロしている。
この重い空気の中
あたしは逃げるようにして柘気の腕を掴む。
「柘気…行こ…」
「え…うん」
あたしは十夜くんの方を見れなかった。
怖くて怖くて…
振り向けなかった。