愛してるハニー
拓『たけちゃん、おはようさん』

健『おう、おはようさん。拓斗、どないした?』

拓『ん~、あんな、絵里から、聞いたんやけど、真莉がかなり、今、落ちてるらしいねん。
…翔太くんが最大に落ちてる時ぐらいに』

健『えっ!』

翔『あぁ~。やっぱり、そんくらい落ちてたか…真莉は』

健『真莉が落ちてる理由聞いたか?』

拓『おん…なんか、俺らのこの仕事は、毎年、毎年、ほぼ、同じ様な事の繰り返しやんか。
まぁ、それは、俺らの仕事だけやなくて、他の一般の仕事してる人も同じやろうけど…』

健『まぁ、せやな…で?』

拓『おん、それで、絵里の話やと、真莉は、今の自分に完全に自信がないゆうか…こんなんで、自分を応援してくれてるファンは、納得してるんやろうかって…』

翔『…(あいつ、落ち方まで一緒かいな)』

拓『…なんだか、かなりの自己嫌悪に陥ってるらしいねん。
仕事の時は、一切、そんな素振りも表情にも出さへんらしいねんけど、楽屋に帰ったり、移動中は、すぐにイヤフォン付けて曲聞いてるし、ずっと、1人の世界に居るみたいやで…。
最近じゃ、絵里が話しかけても、半分上の空みたいやし』

翔『あいつも俺もそうやけど、落ちた時は、戻って来るまでかなりの時間がかかんねん』

健『そうやったんか…せやけど、落ちたきっかけは?』

拓『ん…それはたけちゃんたちって、どんな事があっても毎年、クリスマスかイヴには、数十分でも数分でもふたりで過ごしてたやんか』

健『あっ!…忘れてた』

拓『…せやけどな、今年は、どう頑張ってもイヴもクリスマスも一緒に過ごせへんらしいねんって』
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