小さな願い
急がないと…


ドン!


「ブハッ…すみません!」



前を見ずに走ったので、人にぶつかってしまった



「あ、俺こそすんません」



「…」



「どうしたんですか!?」


3年前にもこんなことがあった

桜がとてもきれいなあの日にあたしと慎ちゃんは出会ったんだ




思わず涙が出でしまった…



あの日の光景が一瞬にして頭の中に再生された…



もう、枯れたと思っていた涙も出てくる




3年間の想いが心を締め付ける










もう、いやだ!


知らない人の前で泣いてるなんて…



亜衣は必死に涙をこらえた…







「落ち着いてよかった。」



「ありがとう、ごさいます。じゃあ…」



立ち上がろうとした瞬間に、先ぶつかった男の人に止められた


「なんで、泣いてたの?」
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