Limiter
ここではハヤトの奢りだった。
初めてラスソンを歌ったということで、店からお祝い金として5千円貰ったそうだ。
その5千円でさっそく奢ってもらった。
奢りと言っても数百円だけど。
それでも私は嬉しかった。

開店したばかりのまだ客が私達しかいない店内で、ジューシーな肉を味わう。

「初めてのケンタッキーはどう?」

「うーん。思ってたよりも普通かな?」

「そっか。まぁ確かに普通かもね」

しょせんファーストフードだもの。
期待以上の味は望めない。
こうしてハヤトは、良くも悪くも1日で初めてづくしを味わい、私達のアフターは幕を閉じた。

ケンタッキーを出たらすぐにある、地下街へ降りる階段の前で私達は別れた。


時間はもう11時だった。
ハヤトと同伴したのは22時。それから13時間も私はハヤトと一緒に居たのか。

お疲れ様。そしてありがとう。
今日はすごく楽しかった。
ハヤトは最高の担当だ。
これからもずっとずっと応援していきたい。

未来なんてどうなるか分からないけど、
ハヤトは今までのどの担当よりも関係が長く続く気がした。

でもね?
しょせんホストだもの。
期待以上の幸せは望めない。

どんなに今が楽しくて幸せでも、
ホストに過剰な期待をしてはいけない。
それがホスト遊びの鉄則―――
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