Limiter
帰宅後すぐ床に就き、朝10時前。
ハヤトからメールが来た。
浅い眠りだった私は、メールの着信音ですぐに目覚めた。


7/20 9:52
from ハヤト

今日はありがとうございます♪
せっかく場内もらったのに眠ってしまってゴメンなさい(>д<;)

きちんと帰れました?



敬語のメールだ。

私はハヤトで3人目の担当(この時はまだ場内指名だったが)になるのだが、
今までの過去2人の担当は、同じ年齢だったこともあって敬語で話したことは一度もない。

ホストクラブ専用サイトで入手した情報によると、ハヤトは私より4歳年下の20歳。
やはり年下だと最初は敬語なのだろうか…?
いやでも、ハヤトに自分の年齢を言っただろうか?
言わなくても見た目で分かってしまうか。

4歳差という現実を押し付けられて少し落ち込んだが、
生まれた年に文句は言えないので、こればっかりはどうしようも無い。


とにかく私はその敬語メールに、ものすごく違和感を感じたのだ。
中にはホストにいきなりタメ口きかれるのは嫌というお客さんも居るので、
これはこれで間違いは無い。
しかし私は、年下だろうとなんだろうと、担当とはタメ口で話したかった。

でもハヤトはまだ本指名もしていないし、これからもっと仲良くなっていけば自然と敬語もなくなるだろうと思い、
その後も特に言葉遣いの指示はしなかった。


結局その日は昼頃までハヤトと何通かのメールをやり取りした。
なかなかマメな子だ。
敬語という部分以外は、理想通りの担当だ。

何よりも、場内を入れて隣に座ってもらったときの、あの安心感。

私の居場所はここだ。と思えるほどの安心感をあの時感じた。


顔も好みで安心感もあり、マメで感性も一緒。
これはもう間違いなくハヤトを本指名するな。

私はそう思いながら、再び眠りに堕ちた。
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