ロウソク


私はここが

カラオケのロビーだと
いうことさえ忘れて



大粒の涙を零し、

泣いていた。




ずっと苦しかった。

切なくて、悲しくて

だけど泣けなかった。




「…急に泣き出してごめん。」




私は荷物をとって


そそくさと帰った。


真央が文句を言っていたが

気にならなかった。


涙は止まることを知らず


私の頬を伝っていく。


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