ロウソク




―――――――



そうこうしているうちに
文化祭の季節になった。




真央が

一緒に実行委員会やろ!!

って

いつものテンションで言ってきたから入ってみたものの、これはかなりのハードスケジュールになりそうだ。


もともと忙しく働くのは嫌いじゃないからよかったけど。



うちの学校は毎年
『隠し芸大会』みたいなのをやる。


私はそれの音響に当たった。


小さなプレハブで音源の機械をいじる役割だけど、けっこう重要みたい。



だけどここは『隠し芸大会』の特等席だから嬉しかった。




「出場者のエントリー表ね。」と先生にプリントを渡される。





―――うちのクラスは誰も・・・って小鳥遊?



隣のクラスだったけど
変わった名字だから目についた。



なんて読むんだろ・・・??



そのあと打ち合わせとか、音源収集とかで忙しくって《小鳥遊さん》のことはすっかり忘れていた。



打ち合わせは最終グループにさしかかっていた。

「エントリーNo.10の皆さんですね。グループリーダーはどなたですか?」

「あ、僕です。小鳥遊です。小鳥が遊ぶって書いてタカナシ。よろしくお願いします。」


変わった名字の人は不思議なオーラを持ってるっていうのが私の印象だった。

「こちらこそよろしくお願いします。何か希望はありますか?」


打ち合わせは思った以上に長引き、終わった頃には8時を回っていた。



< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop