友達の木
3年後~春
急に奈菜は転校することになってしまいました。
「奈菜、本当に転校しちゃうの??」
美香は一人取り残されてしまうことを、すごく悲しみ涙が止まりません。
「うん。
でも、休みの日には帰ってくるし手紙も出すよ。
それまであの木よろしくね。」
奈菜はそれだけ言うと、ニコニコと手を振り行ってしまいました。
それからというものの、奈菜と美香は毎日のように手紙のやりとりをしました。
美香は奈菜から来る手紙を読むのがうれしくて、毎日ポストを除いていました。
でも、時がたつにつれてだんだんと手紙は来なくなってしまいました。
時々来る手紙のには、あっちでの楽しい毎日や新しい友達、幸せそうな日々のことばかりが書かれていました。