将棋少女
香歩さんの棋風、将棋の打ち方は基本、攻撃的で僕とは対極的だ。
戦法で言うなら香歩さんが好んで使うのは原始棒銀と言う攻めのお手本みたいな戦法。
今回も守りが追いつかない程の速攻を見せる。
僕は必然的に後手後手に回り、その中でも四間飛車を構築していく。
けれど、
「守りが粗い」
振り下ろされた『歩』は『と金』となって僕の懐を切り裂いて行く。
『と金』の作った攻め道から『銀将』それに『飛車』が襲いかかる。
既に雌雄は決していた。
「それで、あなたはどう思ったの?」
盤面から、香歩さんに目を移す。
「……それは、どういう意味でしょうか」
「そのままの意味よ」