将棋少女
「外の君~。桂さん着替え終わったわよ~」
声を掛けられ再度保健室に入室する。
「先輩の着替え見れなくて残念だったねぇ」
「……別に。大体、着替えるなら着替えるって言ってくれれば僕は退室してましたよ」
後ろ手に扉を閉める。
「ふふ。そんなに不機嫌にならないで欲しいな」
ギッ。と保健医の座る丸椅子が軋んだ。
自分の机から僕へと体ごと視線を移す。薄い笑みを伴って。
「はてさて。君はどうしたのかな?桂さんとベッドに転がる為に保健室に来たわけではないんでしょ?」
なんだろ。遊ばれてるのかな。言葉が逐一イラっとする。
「一応、具合が悪いんで薬をもらいに来ました」
「ふぅ~ん。体調不良ねぇ。じゃあこれで体温計ってね」