将棋少女



いつも途中までは上手くいく。予想通りの展開で、僕も思い描いた通りの構えが出来てる。


それなのに駒のぶつかり合いが始まると僕の布陣はあっさりと瓦解するのだ。


香歩さん曰わく、中途半端な構えだの、囲いが不十分だの、先を読んでいないだのと言うが。


その全てにおいて最善を尽くしてるのにあっさりそれらを凌駕される僕の身にもなってほしい。


正直香歩さんは強すぎる。


白紙のノートに浮かぶ、昨日の盤面。


どこをどうすれば勝てたか?何が間違っていたか?


一人での感想戦は、あまりに無意味だった。


どこをどう変えても、多分香歩さんは僕の予想を超えた鬼手で応えるだろう。


勝てるビジョンが見えない。


思わず溜め息が出た。


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