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将真くんは、本当に何でもできた。



授業中どんなに寝てても

当てられたらすぐ答えられる。


体育の授業のとき、

バスケ部の人に負けないくらい

バスケも強かった。



…完璧っていうこと。




すごいチャラい奴だと思ってたのに

不思議なことに、私以外の女子を

名前呼びすることは一回もない。


それどころか、自分から女子に

話しかけようともしなかった。




…そのかわり私は周りの女子に

にらまれるんだけどね。






「だーれだっ」



正門からでたばかりの私の目を

誰かが後ろからふさいだ。



「…将真くんでしょ?」


私はやっぱり冷たく言う。


「あたり!良くわかったな」


私の目から手を離して

またはにかんだ笑顔で笑った。





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