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「俺のこと将真って呼んでくれてんだ!呼び捨てでいーのにっ」
私の隣に並んでそう言った。
「…呼び捨ては馴れ馴れしいじゃん」
「俺は呼び捨ての方が嬉しいけど…てか一緒に帰っていい?」
私の顔をのぞきこみながら
聞いてきた。
…家の方向一緒なのかな?
周りの女子の目線、めっちゃ痛いけど
…一緒の方向なら断る必要ないか。
「…別にいいけど…」
「やった!!」
そう言って、将真くんは軽くガッツポーズをした。
…なんか、将真くんといる調子くるうなぁ
「…将真くんって、ほんとに何でもできるんだね。」
並んで歩く沈黙の中で、
一番最初に口を開いたのは意外にも私だった。
「えっ別にそんなことねーよ?そんなこと言ったら実樹なんて才色兼備じゃねーか」