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…は?
「…私が才色兼備って…意味わかってる?」
私は本気でそう思い心配して
将真くんの顔をのぞき込んだ。
「だって…実樹可愛いじゃん。ちょっと髪の毛結んでみてよ」
将真くんはにこっと笑って
私の髪の毛を少し触った。
初めて言われた言葉と、
視線に耐えきれなくなって、
髪の毛を手で少しまとめた。
「…そっちのほうがもっと可愛い。明日から結んで学校きなよっ」
将真くんは優しく微笑みながら
私に言った。
そうやって、無駄な笑顔ふりまいて
いろんな子のこと期待させて…
…それで、満足なのかな…?
「…将真くんはなんでそうやって女の子に馴れ馴れしくできるの…?」
知らない間に、
そんな言葉が口からでていた。
「…馴れ馴れしい?」
将真くんは、私を見て
真剣な顔で聞き返してきた。
「そうだよっだから女の子に変な期待されたりしちゃうんだよ!」
…なんでだろう。
何でかわかんないけど
止まらない。
自分で言ってるのに
胸が苦しい…。