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「あらっ実樹ちゃん早かったのねーっ」
お母さんが、にこにこの笑顔で
私を迎えてくれた。
「ただいま!お腹すいた~」
「……実樹ちゃん…今日はずいぶんと明るいのね!なんか、髪も顔立ちも性格も表情も、実樹ちゃんじゃないみたいだわ」
お母さんは私の顔をじろじろ見ながら言った。
すごく、嬉しそうな顔してる。
私も、そう思ってた。
今まであんなに憂鬱だった学校も、
汚く、くだらなくみえた学校も、
今じゃ、行くのが楽しくなった。
髪の毛を結ぶのも、
楽しくなった。
…全部全部、将真がいるから。
将真が学校に来るから。
将真があの学校で笑うから。
将真が実樹って呼んでくれるから。
…私を変えてくれた。
格好だけじゃないんだ。
性格も、感じ方も全部。