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「実樹ちゃーん!一緒に帰れるっ?」
私が教室で委員会で忙しい将真を待っていると、
悠ちゃんが話しかけてきた。
「えっと…あっ今日は…「実樹は今日俺と帰んだよな!」
「な?」
いつの間にか隣に来ていた将真が、
そう言って、私に笑顔を向けた。
「…えっ!!実樹ちゃんの彼氏さん?!…あ!噂の転校生かっ」
悠ちゃんは目を丸くして
私と将真を交互に見た。
「かっ…彼氏なんかじゃないよっ!」
私は顔の前で手を振って、
必死で否定した。
将真くん、きっといやだろうな…
私なんかと、そんな勘違いされて…
「実樹、そんな否定すんなよっ」
将真はそう言って、少し悲しそうに笑った。
「ありゃ?じゃあうちの勘違いかっ!転校生くんのこと、将真くんって呼んでいい?」
悠ちゃんは、将真に向かってそう言った。
「うん、いいよ」
将真は、うなずいて言った。