Boys Kissシリーズ・『年下とのキス』
途中、声をかけられるので短く返答しながら走り続ける。

ふと後ろを振り返ると、アイツも返答している。…笑顔で。

化け物め! と心の中で思いながら、走る。

やがて屋上へ出てしまい、俺は逃げ場を失った。

「ぜぇぜぇ…」

「今日はここまでですか?」

俺はキッと後輩を睨み付けた。

「おっ前、おかしいんじゃないのか?」

「んっ? 何でですか?」

ケロっとした表情で、アイツは俺に近付いてくる。

「男の、しかも年上の俺を好きだなんて…。頭おかしいだろう?」

「―そりゃ恋に狂っていれば、誰だっておかしくなるよ」
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