幸運の器
そこまで聞いたところで、悠斗は急に馬鹿らしくなってきた。

こんな子供の戯言を何も真剣に聞くことはない。

これはきっと、子供の遊びの一種なのだろう。

悠斗はそう判断した。

だいたい、こんな子供が生き死にを口にするのが気に食わない。


「はいはい、わかりました。それでカノンちゃんは器が必要なのね。でもね、カノンちゃん。それはもっと話がわかる大人にしなさい。オレは、そんな話に付き合ってやるほど暇じゃないの。さあ、わかったらさっさとお家に帰りなさい」
< 14 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop