幸運の器
一磨の瞳に悲しみが宿る。
「一磨さん……」
「百目鬼家で儀式を済ませたすぐ後からだった。葵の周りでやけに不幸な出来事が続くようになった」
「不幸な出来事って……?」
「まあ、簡単に言えば怪我や病気が多かった。だけど、それは葵だけじゃなく葵に関わる周りの人間にも及んだ。そして、葵は一時期心を病んだ。自分が不幸を振りまいているんじゃないかと」
「何でそんなことに?」
「俺にもわからなかった。でも、ある日ボスが幹部たちと話しているのをたまたま聞いてしまったのさ。葵の不幸の始まりが器分離にあるっていうことをな」
「えっ?でも――」
「一磨さん……」
「百目鬼家で儀式を済ませたすぐ後からだった。葵の周りでやけに不幸な出来事が続くようになった」
「不幸な出来事って……?」
「まあ、簡単に言えば怪我や病気が多かった。だけど、それは葵だけじゃなく葵に関わる周りの人間にも及んだ。そして、葵は一時期心を病んだ。自分が不幸を振りまいているんじゃないかと」
「何でそんなことに?」
「俺にもわからなかった。でも、ある日ボスが幹部たちと話しているのをたまたま聞いてしまったのさ。葵の不幸の始まりが器分離にあるっていうことをな」
「えっ?でも――」