幸運の器
「ああ、それが『万古』と呼ばれる特殊な器さ」

「ばん、こ?」

一磨は一つうなずくと説明を続けた。

「万古という器は、本当に特殊な器だ。なにせ、いくら運を使っても尽きることがないんだからな。万古を持つものは幸運の女神に愛される。――お前、自覚があるんじゃないのか?」

悠斗は考え込んでしまった。

自覚があるなしに関わらず、確かに悠斗は今まで運だけで生きてきたようなものだったからだ。
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